緻密な「前練り」が、次世代の塗料品質を支える
単に原料を混ぜるだけでなく、粘度や温度、投入順序を科学的に最適化するのが当社の仕込み工程です。高精度なデジタル記録と、技術スタッフによる現場立会いにより、複雑な多品種生産においても常に再現性の高いモノづくりを実現。この徹底した「前練り」の精度こそが、滋賀工場の機動力の源泉です。
1.計量の精度と確実性
・原料の正確な計量
製造指示伝票(レシピ)に示された配合量に対して、許容誤差内で正確に計量しています。特に、色や性能に大きく影響する顔料や少量の添加剤(ワニス、分散剤など)は、高精度の計量器を使用して正確な計量を行っています。
・計量システムの自動化と記録
ロードセル(重量センサー)を備えた自動計量システムを導入し、手動による計量ミスを排除する。計量実績(種類、ロット、重量)はすべてシステムに自動記録し、トレーサビリティを確保しています。
・ロット番号の厳格な確認
計量時に、使用する原料のロット番号が製造指示伝票と一致しているかを、必ずチェックし、原料の取り違い防止を徹底しています。
・計量後の密閉管理
計量後の原料は、製造ラインに投入されるまで異物混入や汚染を防ぐため、適切な容器で密閉して保管・運搬しています。
2.プレミックス(前練り)の最適化
・投入順序の遵守
樹脂、溶剤、顔料、添加剤の投入順序は、顔料の濡れ性(湿潤)と均一な分散を促すために重要でありレシピで定められた順序を厳守しています。新製品や顧客特注の別製品に関しては、技術立会いのもとで生産を実施しています。
・均一なペースト(ミルベース)の作成
ディスパー(高速分散機)などの混練機を使用し、顔料を液相全体に均一に行き渡らせる「プレミックス(前練り)」を徹底しています。この段階で凝集体を十分に濡らし、分散工程での負担を軽減しています。
・前練り粘度の最適化
前練り時の粘度は、後の分散効率に大きく影響します。高粘度すぎると分散機の負荷が上がり、低粘度すぎると粒子同士の衝突エネルギーが不足するため、分散に適した粘度範囲を維持するよう溶剤量などを調整し、製品の品質安定には徹底してこだわった生産に取り組んでいます。
・発熱と温度の管理
前練り中に機械的な摩擦熱が発生するため、特に熱に弱い原料や溶剤を使用する場合、最も効率の良いチラー水方式での冷却管理を行い、温度が規定値を超えないよう厳密に監視しています。危険物でもある塗料の製造品質を維持しつつ、溶剤による火災などに気を配り、安全確保を行っております。
3.設備の管理と衛生
・ミキサー・タンクの洗浄徹底
ロット切り替え時や色替え時に、前ロットの残渣(残っている塗料や顔料)が混入するコンタミネーション(汚染)を防ぐため、ミキサーやタンクの内部を標準化された手順で徹底的に洗浄しています。「フタル酸エステル類」の取り扱いは特に注意を払い、生産拠点である滋賀工場に留まらず、各支店調色センターにおいても、防止対策を講じています。
・設備の摩耗・損傷チェック
前練り機のブレードやシャフトなどに摩耗や損傷があると、異物の発生源となったり、均一な前練りができなくなったりするため、定期的な点検とメンテナンスを実施しています。

