⑨エネルギー分散型蛍光X線分析装置

塗料の「元素組成」を非破壊で迅速解析

塗料の機能性(例えば、防錆、隠蔽力、耐候性など)は、その中に含まれる元素の種類と量に大きく依存します。「エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)」は、塗料や塗膜を破壊することなく、わずかなサンプルから構成元素を迅速かつ正確に特定・定量するために不可欠な分析機器です。

EDXの原理と役割:原子レベルでの成分検出

EDXは、塗料サンプルに高エネルギーの電子線(またはX線)を照射し、その原子から放出される蛍光X線を検出することで機能します。

エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)

1.元素の特定(定性分析)

蛍光X線のエネルギーは、その元素固有のものであるため、検出されたX線のエネルギーを分析することで、塗料に含まれるすべての元素(主にナトリウム(Na)からウラン(U)まで)を特定できます。

2.元素の量(定量分析)

検出された蛍光X線の強度は、その元素の含有量に比例します。これにより、塗料や塗膜中の主要な顔料(例:チタン(Ti)、亜鉛(Zn))や重金属(例:鉛(Pb)、カドミウム(Cd))の濃度を高い精度で測定できます。

開発・品質管理での貢献

・新規配合の評価

新しい顔料や機能性添加剤を配合した際、狙い通りの元素が所定量含まれているかを迅速に確認し、配合設計を最適化します。

・層構造の分析

多層塗装された塗膜の断面を分析することで、各層(下塗り、中塗り、上塗り)の化学的な違いや厚みを把握し、塗膜構造の最適化に役立てます。

品質管理・コンプライアンスにおける活用

・ロット間の品質管理

製造ロットごとに元素組成をチェックし、顔料や防錆剤などの重要成分が安定して含まれているかを確認することで、ロット間のバラつき・振れを排除しています。

・有害物質管理(RoHS/ELV対応)

鉛(Pb)、カドミウム(Cd)などの環境規制物質が混入していないかを非破壊で迅速に検査し、製品の安全基準への適合を徹底しています。

※当社では、この「エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)」を活用した迅速な元素分析により、お客様の求める機能性(防錆力、隠蔽性など)を科学的に裏付け、安全で高品質な塗料を提供しています。