塗料の「塗りやすさ」と「液だれしにくさ」を数値化する
塗料が液体から固体(塗膜)へと変化するプロセスにおいて、その「流動性」や「粘り気」は、施工のしやすさや仕上がりの美しさを左右する極めて重要な要素です。「RSXレオメーター」は、従来の粘度計では測定できなかった物質の「液体の性質(ドロドロ感)」と「固体の性質(弾力性)」の両面、すなわち「粘弾性」を客観的な数値で評価するために不可欠な試験機です。
レオメーターの役割と評価項目
RSXレオメーターは、サンプルに精密にコントロールされた回転や振動(せん断力)を与え、その際に発生する抵抗や変形の挙動をデータとして自動記録します。このデータから、以下の重要な塗料物性を測定します。
1.チキソトロピー性(構造粘性)
攪拌したり塗ったりする時(力がかかる時)はサラサラと動き、塗布し終わった直後(力が消えた時)に一瞬で元のドロドロした状態に戻る性質を測定します。この値が最適化されているほど、作業性が良く、かつ美しい仕上がりになります。
2.降伏応力(タレにくさの指標)
塗料が流れ始める(変形する)のに必要な最小限の力を測定します。この値が高いほど、垂直な壁面に厚く塗った際にも、乾燥するまでに塗料が自重で垂れ落ちてしまわない性質(耐タレ性)を保証できます。
3.レベリング挙動(平滑性)
塗膜が形成されるまでのごくわずかな時間において、刷毛目やスプレーの凹凸が自重できれいに平ら(フラット)に馴染んでいく流動挙動を数値化します。
開発・品質管理への貢献
・施工パフォーマンスの最適化
塗料の開発において、「塗りやすいがタレやすい」または「タレないが伸びが悪く塗りにくい」といった偏りを避け、職人やユーザーが最も扱いやすく、かつ美しく仕上がる最適な配合バランスを、レオメーターのデータに基づいて設計します。
・環境・温度変化への対応
液体の特性は温度によって大きく変化します。高温下でのシャバシャバ感や、冬場の過度な硬化(粘度上昇)を想定した温度可変試験を行うことで、あらゆる季節や環境下でも一貫した作業性が保たれるかを検証し、製品の信頼性を高めます。
※当社では、この「RSXレオメーター」による精密な流体挙動・粘弾性試験を通じて、塗料が施工現場や乾燥過程において確実に機能するための「塗りやすさと美しさ」を科学的に検証しています。

