⑦電位差自動滴定装置

塗料の「酸価」や「アミン価」を正確に分析する

塗料の基となる樹脂(バインダー)や硬化剤の特性は、その化学的な官能基(特定の原子団)の量によって決まります。「電位差自動滴定装置(Potentiometric Auto Titrator)」は、塗料の酸価、アミン価、水酸基価など、主要な化学的特性を極めて高い精度で自動的に測定するための、品質管理と開発に不可欠な分析装置です。

電位差自動滴定装置の役割

この装置は、試料に試薬(滴定液)を少量ずつ加えながら、その都度の電位変化を電極で測定し、化学反応が完了した正確な時点(終点)を検出します。これにより、手動(目視)による誤差を排除し、極めて高精度な再現性を実現します。

1.酸価の測定(樹脂の品質管理)

塗料の樹脂中に含まれるカルボキシル基 (COOH(酸性成分)の量を示します。酸価は、樹脂の重合反応の度合いや、塗料の貯蔵安定性、金属への付着性などに影響します。この値を正確に測定することで、樹脂のロット間品質の均一性を管理します。

2.アミン価の測定(硬化剤の活性度)

エポキシ樹脂用硬化剤などに含まれるアミノ基(塩基性成分)の量を示します。アミン価は、硬化剤の活性度や配合比率を決定する上で極めて重要であり、正確な硬化性能を発揮するために厳密に管理されます。

3.水酸基価の測定(ウレタン樹脂の反応性)

ウレタン塗料の主剤などに含まれる水酸基(OH)の量を示します。この値が、硬化剤(イソシアネート)との正確な反応比率を決定し、最終的な塗膜の硬度や耐久性を管理します。

品質管理への貢献

・迅速な品質検査

製造された塗料ロットの主要な化学的特性を迅速かつ正確に測定し、安定した品質が保たれているかをリアルタイムでチェックします。

・環境規制物質の分析

一部の塗料では、遊離のホルムアルデヒドなど、微量な規制物質を定量する際にもこの滴定技術が応用されます。

※当社では、この「電位差自動滴定装置」による化学的特性の厳密な管理を通じて、塗料の硬化性能、安定性、および長期的な耐久性を科学的に管理しています。